ここ数日、夜中に目が覚めてしまう。それも決まって2:00頃。トイレに起きて再び横になっても、眠りに戻ることができない。日頃、夕飯を食べたあと、20時半頃にはウトウトしてくる。結局そのまま眠ってしまい、以前はそのまま朝までぐっすりだったが、最近はばっちりと目が冴えてしまう。
2:00に目が覚めてすることといったら、ベッドの中で本を読んだり、ネットで映画を観たりすることくらい。また、音が吸い込まれてしまったかのように静かすぎる深夜には、意外と仕事が捗ったりもする。昨夜は、来週締め切りの原稿を1本仕上げることができた。
3:15。まだまだ眠気はやってこない。図書館で借りてきた『S先生のこと』を読み始める。途中、感極まって涙する場面もあり、面白くて一気に半分ほど読み進めた。最近は日の出の時間がすっかり遅くなり、6:00になってもまだ外は暗い。
住む場所によって、時間の過ごし方は変わってくる。昔、東京で暮らしていたときは24時間営業のコンビニが近くにあり、眠れない夜などには朝ごはんのパンを買うついでに夜道を散歩したものだ。
深夜にもかかわらず道には誰かしらがいて、街灯も明明としている。往復15分ほどの距離はちょっとした散歩にちょうどよく、夜風にあたって心を鎮めて家に戻ると、すぐにぐっすりと眠れた。
いまは山間の集落に暮らしているので、外は真っ暗。街灯すらついていない。深夜に散歩しようものなら、猪に遭遇するに決まっている。自然の中で過ごす深夜の時間は、都会のそれとはまったく違う。
自分なんてクスクスの粒のようにちっぽけな存在で、暗闇の中についと吸い込まれてしまえば、その存在なんて初めからなかったかのようにあえなく消えてしまいそうだ。
なぜ、人は暗闇を怖がるのだろう。いま暮らしている場所では、深夜に玄関を開けることすら怖い。お化けとか、そんなことじゃなく、深夜特有の風や空気に畏怖の念を覚える。それなのに、まったく同じ場所で、朝、太陽が昇るのを見るのはとても清々しい。昨夜の怖さなど、どこ吹く風だ。
6:45。うっすらと空が明るくなり始めた。不思議なことに、いつもこの時間帯に眠気が忍び寄ってくる。暗闇が去ったことに心底安堵し、「安心して眠っていいよ」と、誰かにそっと毛布をかけてもらったような気になる。
結局それから2時間ほど眠り、トータルでは6時間眠ったのだけれど、夜中に目が覚めた日には朝起きたときの重だるい感じが拭えない。きっと体のどこかに、夜中のあの空気がまだ残っているのだろう。
できれば毎日ぐっすり眠り、深夜の時間を飛び越えて、清々しく朝を迎えたい。(R)